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幼稚園の参観日(Open House)がありました。この日は、保護者向けに教育理念などの説明会のあと、子どもと一緒にアトリエと呼ばれる活動の場所をいっしょに回って、遊ぶというものでした。詳しいことに興味があれば、続きをみてください☆↓↓↓


娘の通う学校(プリスクール・幼稚園)では、レッジョ・エミリア・アプローチを取り入れているので、その教育理念と、組織の紹介をしてくれた。説明された内容は、ちょうどこちらの日本語サイトに凝縮されていたように思うので、ここでの説明は省略します。説明会で読み上げられた、教育理念(の和訳)だけ、以下に引用させてもらいました。



レッジョの教育理念
(出典「子どもたちの100の言葉 レッジョ・エミリアの幼児教育」ローリス・マラグッツィ)

子どもには 百とおりある。
子どもには 百のことば 百の手 百の考え 百の考え方 遊び方や話し方
百いつでも百の 聞き方 驚き方、愛し方 歌ったり、理解するのに 百の喜び
発見するのに 百の世界 発明するのに 百の世界 夢見るのに 百の世界がある。
子どもには 百のことばがある (それからもっともっともっと)
けれど九十九は奪われる。
学校や文化が 頭とからだをバラバラにする。
そして子どもにいう 手を使わずに考えなさい 頭を使わずにやりなさい
話さずに聞きなさい ふざけずに理解しなさい
愛したり驚いたりは 復活祭とクリスマスだけ。
そして子どもにいう 目の前にある世界を発見しなさい
そして百のうち 九十九を奪ってしまう。
そして子どもにいう 遊びと仕事 現実と空想 科学と想像 空と大地 道理と夢は
一緒にはならない ものだと。
つまり 百なんかないという。
子どもはいう
でも、百はある。』



環境作りを大切にしている点、子どもをよく観察する点、教師と子どもが対等である点などが説明会でなされて、モンテッソーリ教育と通ずる部分が多いなと思いました。どちらもイタリア発祥で、どうしてあえて、別の教育方法となっていったのかは戦後復興(自分たちの手で、自分たちの幼児学校をという出発点があったからかな)が影響しているのかしら。。。



子どもたちは、午前中と午後にひとつずつスタジオと呼ばれる活動部屋を自分で選んで、そこでそれぞれが活動したり、数人でプロジェクト活動をしたりするよう。このとき、4つの英語クラスと、1つのフランス語のクラスの生徒たちが、入り混じって活動しているそうです。普段は、5つのスタジオからひとつ選んで活動するそうだけど、参観日ということで7つのスタジオが公開されていて、全部を見て回りました。


7つのスタジオ(私の印象):
・Art Studio(絵の具で絵を描いたり、枝や松ぼっくりなどの自然素材のものを使って創作する部屋)
・Sensory Studio(感覚器官で楽しむ部屋。水や砂などで遊べる)
・Imagination Studio(生活用品の部屋。ビー玉、コルク、木、布、キッチンやドールハウスなど)
・Tinkering Studio(大工仕事の部屋。のこぎりや釘、ねじ、天秤など。以下の写真)
・Block Studio(白木のブロックがある部屋)
・Music and Rhythm Studio(楽器の部屋。打楽器、貝、ビーズ、ビー玉、ボタン・・・)
・Discovery Studio(自然科学系の部屋。光、顕微鏡、鏡、色水遊び、影絵などできるみたいだった)


他にもう2つあるそう:
・Pop-Up Surprise Studio(ときどき料理をして自分たちのおやつを作ったりもしているみたい)
・Outdoor Studio(毎週、校外にフィールドトリップにでかけるので、そのことみたい)


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各スタジオは、5つのクラスの教室としても使っているので、教室となるスタジオには必ず、下の写真のようなリラックスして本を読めるコーナーが設けられていました。


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だいたいの一日のスケジュールは、
・サークルタイム(パンと果物が出る)
・スタジオで活動
・園庭遊び(フィールドトリップになる日もある)
・お昼寝(20-30分)毛布が配られる
・学校のカフェテリアでランチ(プリスクール用の小さなテーブルと椅子が設置してある)
・スタジオ(果物が出る)
・音楽、図書室で読み聞かせと本選び、または体育
・5クラス全員が集まり、サークルタイム
・解散


印象的だったのは、
・同じスタジオの子たちでその日の振り返りをすること。
・毎週、金曜日に、全生徒が集まったサークルタイムで、スライドやビデオをみて、この一週間の活動の振り返りをすること。



参観日では、振り返りのスライドの代わりに、全クラスの子を紹介する写真を見せてくれたあと、これまでの活動写真とビデオを上映してくれました。クラスの垣根を越えて活動しているので、別のクラスの先生も、子どもたちもお互いの顔と名前を知っていて、風通しのよさそうな雰囲気でした。インド人を抜かすと、アジア人が少なかった(娘とお友だちの二人だけ?)。こういう自由すぎる校風が嫌な家庭は、カリキュラムがしっかりあるというもう一つの学校に通わせているのかも。


ひとつ的外れだったのが、学校にある程度は任せたかった英語は、(アルファベットを含め)キンダーガーテンから教えるそう。「今」、ちょうど文字を覚えたくなってきている娘に、自分たちで教えないとという点が不安です。


ともあれ、これから、数日かけてだとか、数か月かけてやるプロジェクト活動もはじまるようで、活動記録を読むのが楽しみです。