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Kodiak島~ベア・ウォッチング

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こんにちは。
Kodiak島で
ハイキングした翌日は、
ついに晴れました。





風もなく、


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うっとりするくらい
静かな海面。


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この日は、
ベア・ウォッチングに
出かけました。



こちらの論文にあるように、
Kodiak島のヒグマは、
海で隔絶された期間が長い
更新世からのよう;上論文のFig3参照)ので、

遺伝的に分化していて、
体がホッキョクグマ級に
大きいものが多いことでも有名です。


今回は、
いつも以上に長いですが、
よかったら最後までお付き合いください♡


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Kodiak島と呼んでいましたが
正確にはKodiak諸島で、
いくつもの島が集まっています。


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Kodiak市から、
水上機に乗り込み、
Kitoi bayに向かいました。

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アリ―という名の
ラッコが住むベイを
ボートが疾走して離水。


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車酔いするタイプなので、
風の流れが変わるとき、
一瞬、無重力状態になって?
機体がとび跳ねる感じになるのが
わたしはめちゃ苦手。


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海をみていると、
あちこちでクジラが潮を噴き上げて
いるのが見えました。

こちらは、ザトウクジラが
3~4頭で群れていました。


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下をみると、丸裸。
中国の会社が土地を買って、
木を伐採してしまっているそう・・・


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港に停泊していた
漁船にボートをつけた船は、


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こうやって、
網で囲って、その中の魚を
獲っているいるそうです。


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この方法は、
巻き網漁と
呼ぶものらしいです。




こうして空から
社会科見学をしているうちに、
Kitoi bayに着水。


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母子グマが海辺で
サーモン捕りをしたり、
コグマとじゃれている姿が
みえました。
(肝心なカメラを忘れてしまい、
以下、ちんまりですみません)



機体から降りると、
あたりは生臭い腐臭が~💦

サーモンが死んで
腐っている臭いでした。


川に目を向けると、
オスグマ(たぶん)がいました。


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先日、
4時間かけて捕ったのは
何だったのだろう・・・





と、
遠い目をしそうになるくらい、
たくさんのサーモンが
行列しています。


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人間でも
手づかみできそうな状況なので、

クマは
川に飛び込んで
サーモンを捕まえる!!

という
ドキュメンタリー映像とはほど遠く、
選んで口にくわえるだけ・・・
といった風情(苦笑)。


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サーモンの
皮をまず食べて、
いくらをぺろぺろ舐めて、
赤身はほぼ食べずに
また次のサーモンを捕りにいきます。

おそらく控えている
カモメたちも食べきれないほどなので、
身が腐って、匂っていたのですね💦

この近辺には
60頭ほどのクマがいると
ガイドさんが言っていたような。


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それをみた娘が
パイロット兼ガイドさんに、


どうして、
卵しかたべないんですか?


と質問していました。
すると、ガイドさんは、


身を食べると、
消化にエネルギーを使うから、
太れないんだよ。
だから、消化が良い、
皮、脳みそと卵だけ食べるんだよ


と教わっていました。
(皮と卵と脳みそには
身と比べると脂肪分が多くあり、
高カロリーという意味らしい)


生で食べても
寄生虫とかでお腹を壊さないのは
どうしてですか?

とも質問していました^^;


そういえば、
サーモンがよく見えるからかな
ここのクマは
サーモンのメスだけ選んで捕るそう。

リンクにあるような
顔の形の雌雄差などを観察して
選別しているのかしら?





Kodiak島の西側にある、
滝でクマがサーモンを捕まえることで有名な、
Katmai国立公園のクマに関するQ&Aも
面白かったです↓


 


クマがサーモンを捕って
お食事をしている先には、
こんな魚道がありました。


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こんな風に、
川を板(フェンス)でせき止めて、
この魚道しかサーモンが
通れないようになっているんです。


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え?なんで?


と思って、
ガイドさんの説明を聞いていると、


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なるほど、
川の上流側をみると、
このありさまです。

なんと、
ここ数年?は雨が少なくて、
川が干上がってしまい、
サーモンが遡上したとしても、
卵が干上がってしまうのだそう💦

島で
サーモンが遡上できるくらいの
水量を保つためには、
木々がこれくらい苔むすくらい
雨が必要だったのですね。





ほんとなら、
赤い印の孵化場脇の川が
Big katoi lakeあたりに繋がっていて、
そこで産卵していたのかもしれません。


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そんなわけで、
Kitoi Bay Hatchery(鮭の孵化場)で
孵化して、放流しているのだそう。





魚道を登り切ったサーモンは、
こちらのいけすに入って、


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電気ショックで
卵を出して、
孵化させるのだとか。

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施設の中は
みられなかったけれど、
こんな記事がありました。





ビジターセンター
(Kodiak National Wildlife Refuge)で
いただいたサーモンパンフレットによると、






遡上するまでに、
クマや人間に捕まるリスクがあり、

ダムなどで、
体力を無駄に消耗したり、

森林の伐採があると、
水温があがり病気になったり、

やっとのことで
産卵するも(4:17あたりをみてください)、




同じく伐採などで、
酸素不足となったり、
川の水量が少ないと凍結してして
孵化できなかったり、




稚魚になってからも、
ダムのタービンに巻き込まれたり、
わたしたちも体験したように、
人間に釣られてしまったり、





ここには書ききれないほどの
試練を生き延びて、
産卵をしに戻ってきた
運と実力を兼ね備えた
精鋭サーモンたちを今、見ているわけです。


サーモンが海に出てから
川に戻るまで
1から7年ほどだそう。

異常気象などで
ある一年、産卵がことごとく
うまくいかなかったら💦

サーモンは(も)
絶滅と紙一重で
命をつないでいるのだなあ。

人間は、
頭と内臓は
ほぼ捨ててしまっているのだから、

クマが頭と内臓を皮を食べたお残しを
ドローンで拾って集めて、
身を頂いたらよいのではないでしょうか^^;
(感染症とかあるからダメですか💦)

とかよぎったけれど、
クマが残したサーモンは、
森の栄養ですね。


山に木を植えました (講談社の創作絵本)
スギヤマ カナヨ
講談社
2008-05-29






ともあれ、


体が大きなオスは
サーモンがわんさかいる場所を占拠して、
ラクに次々と食べ、

奥にいる母と子は、
海の中につかって、
影を作るようにじっと水のなかをのぞき込み、
サーモンをキャッチするという
スタイルをとっていました。

母グマは、
ちらりちらりと
オスの行動を気にしつつ、
サーモン捕りを続けていました。

2頭いた子グマの
片方は森に隠れて出てこず、
もう片方は、常に母について、
隙あらばじゃれていて、
可愛かったなあ♡


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水上機に乗り込むと、
今度は、若いクマの兄弟が出てきました。
3歳~5歳くらいと聞きました。
兄弟でおすもうしていました。


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若いクマと、
母子だとどちらか強いのかなとみていたら、
母グマはそそくさと子グマを連れて
その場を離れていきました。


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クマを見に行くだけのはずが、
社会科見学となり、
命をつなぐとは何ぞやと
親子ともども考えさせられました。


娘から出た言葉は、


サーモンに
生まれなくてよかった


うん、わかる!

我が家のサーモンを見る目が
一段と尊いものとなったのは
いうまでもありません。


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アラスカのサーモンを
頂く機会がございましたら、
こんな命の繋がりを
想像していただけたら嬉しいです。

次回が最後です。


Kodiak島~生き物の生態を学ぶ編

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こんにちは。

Kodiak島の旅。
化石海岸のあとは、




Kodiakのダウンタウンに
やってきました。


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コーヒー屋さんに
立ち寄ると、

クマスプレーを
無料貸し出します


という張り紙を夫がみつけて、
お借りすることが出来ました。

(飛行機に持ち込めないので、
困っていました。
必要な方はこちらのお店へ)












そう、
Kodiak島は、
大きな体のヒグマ(Kodiak Bear)が
生息していることでも有名です。
島中、どこでクマに遭っても
おかしくないのだとか。





ダウンタウンにある
ビジターセンター
(Kodiak National Wildlife Refuge)に





Kodiak諸島に住む野生動物について
学びに行きました。

さきの
化石海岸のあたりには
バイソンがいたらしい。
(逃した)


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展示コーナーには、
サーモンの模型展示がありました。


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写真のレッドサーモン(下)と、
ピンクサーモン(上)は
先日、捕った2種類です。

(注:いまにも産卵
というときの色と形だそう)





この島で、
推定3500頭ものクマが
棲息できるのは、
6種類のサーモンが
遡上するおかげなんですね。





そのKodiakクマが
春から冬眠前まで
食べているメニューがこちら。


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向かって左の赤系は
ベリー類や草本の実、

真ん中の緑系は、
ウドやツクシの葉や
海岸で見かけたケルプ↓など。





右は、
サーモン各種や
打ち上げられたクジラなど、


クマといえば肉!
と思っている方もおられる
かもしれませんが、
クマは案外、ベジタリアンです。

(サーモンはKodiakベアには必須だ
とは思いますが^^;)


2階には、
島に打ち上げられた
クジラ(Gray whale)の骨格標本
がありました。


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島の海岸に、
打ち上げられた時の写真。


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土に埋めると、
土壌生物がびっくりするくらい
綺麗に標本を作ってくれるそう。
(クマさん、食料にできなかったのね)


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髭や、耳の骨まで
綺麗に残ってます。
よく見つけたなあ!

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一通り、
展示を見終わったところで、


何かアクティビティが
あるみたいよ?


と、娘たちに
紹介してみました。

すると娘たちは、
キンダー用と小学校低学年用の
アクティビティに挑戦。

用紙を読んで、
答えを書きこみます。


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二人とも、
座り混んで熱心に
課題に取り組んでいました。


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二女は、
わたしが質問を訳したりなど
アシストして完成。


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長女は
一人で完成させて、
館員さんに提出しました。


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すると、
ピンバッジに加えて、
絵のディテールに対してボーナスとのことで、
タトゥーステッカーまで
頂いていました。

(Refugeできず・・・)




夕方、
ホテルに戻ると
アウトプット好きな娘が
親友への絵手紙風の日記を
書きはじめました。


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二女もつられて
海洋生物を描いてました。
クジラやアザラシらしい。


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それから長女は、
自分が知っている
海洋生物の種名リストを書き始め、

ネタが尽きると、
本からヒントをもらって。
(オポッサムは陸上に居る気がする・・・)


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さりげな~く
近くに持ってきた本を置いておくと、
本読みしていました。


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旅に行くときに、
関連する図書を
持参するようにしています。

というのは、
自ら体験したことを
本が体系的に教えてくれるので、
目をキラキラさせながら、
見知ったことを報告してくれるから(笑)

親は、
なるだけしんぼう強く
話を聞いて、
質問するだけ。


今回は、
海に関するものを何冊か、

The Magic School Bus on the Ocean Floor
Cole, Joanna
Scholastic Pr
1994-07-01







What Lives in a Shell? (Let's-Read-and-Find-Out Science 1)
Zoehfeld, Kathleen Weidner
HarperCollins
2015-08-04




あとは、
ビジターセンターで
アラスカのリアルな自然・地誌などを描いた
絵本を購入しました。





旅育がお好きな方がおられたら、
こんなことするといいよ~
と体験談教えていただけたら嬉しいです。

続きます。



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