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娘の秋休みが10日間ほどあったので、ポルトガルを再訪しました。

今回は、リスボン→トマール→ポルト→ラメゴ(ポートワイン産地)→コインブラ→ロカ岬→リスボンと北方面を回ってきました。

日本に伝来した料理がたくさんあるだけあって、米料理もほぼメニューにあったので、できれば三食とも米を食べたい、米星人の娘たちの食にもさほど困らず、しかも財布にも優しく(北欧を筆頭にEU諸国と比べ)旅ができて、ありがたかったです。

もうひとつ、他のヨーロッパの国々と同じくポルトガルも石畳のでこぼこが激しく、坂道や階段も満載ななか一日平均で8kmほど歩いていた我が家。本能的に体幹を鍛えている時期の次女が逞しく歩いて走って、たまによろけて泣き、、、と、全身を使い旅を満喫していたのが印象的でした。

全部は載せられませんが、以下に駆け足で写真とそれにまつわるエピソードをメモ書きしています。




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空港でレンタカーを借りて、そのままトマールへ北上。コルクを使ったお土産(ぼうし、財布、キーホルダー、絵葉書とありとあらゆるもの)がたくさん売っていただけあり、道路ではちらほらとコルクを乗せたトラックが走っていました。あと、針葉樹の立ち枯れが目立っていたな。酸性雨?乾燥?


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トマールのユダヤ教由来の教会へ。閉館ぎりぎりに到着して、、、一時間ほど時間が余ったというチケットをおじさんが譲ってくださいました。でも石や木をみれば登りたい長女がクライミングをはじめ、挙句、おりられない~と(苦笑)。はい、入館できませんでした。


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外観はこんなに美しかったです。娘らは、階段上ったり、砂で遊んだり、オリーブの実を摘んだり、汗だくで遊んでいます。門番の方に、笛で追い立てられながら退場。レストランでは、アメリカ人ご夫妻が楽しい旅話をしてくれました。


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トマール郊外の水道橋へ。自由に見学できて、だいたんに歩く二女が落ちないかと、こわごわと歩いていくと雨水がたまっていました。水を運んでいた実感がわきました。長女は、ギャグのつもりなのか、カメラを向けると水筒から水を飲みだしました。この日は、スターウォーズのキャラクター(ストームトルーパーStormtrooperって白い兵隊みたいの)と、(スターウォーズではなさそうな)ゴリラ系のキャラクターとを使って、シューティングしている人たちがいました。


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ポルトへ。港でイワシの丸焼きを堪能してから、市街へ。ドンルイス1世橋からのドウロ川と旧市街を見渡す景観は圧巻でした。いくつものボートツアーが運航していて、近隣の6つの橋を観光するツアーへ。このあと行く、ポートワイン産地からつながる鉄道橋がここでの最古のものだと教わりました。けっこう水が澄んでいて、大きな魚が泳いでいるのが見えて、長女が興奮していました。


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ホテルはドウロ川沿いの旧市街の対岸だったので、朝焼けの静かな時間帯の景色がとりわけ美しかったです。長女の感想は、「わぁ、きれい!きてよかった~♡」。レストランも美味でした。ひとつは日本人経営ではないけど、Shikoという和食屋。各種包丁やナイフを突き刺したオブジェがインパクト強かったですが、久々においしいお寿司やあぶり鯖などを頂きました。もう一つは、泊まったホテルと同じ系列のポルトガル料理レストラン。アサリのワイン蒸しや牛のシチュー、、、それに10年物のポートワイン(白)の樽の香りがね、最高でした(あくまで下戸の独り言)。


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階段好きな娘たちには教会の展望台はマストで、二人には思う存分昇降してもらいました。イスラム国が攻め込んでいたようすをタイルに描いた鉄道駅、それからレロ書店という有名な本やにも行きました。入場料を支払い、行列に並び、本を買えば入場料分割り引いてくれるというシステム。ポルトガルでは、二歳以下の子連れ家族は行列に並ばずとも優先入場できるきまりがありそうで、すぐに入れました。店内はごった返していたので、こちらのパズル模型を載せます。こんな味のある階段が中心に据えてあり、棚には本の天、地、小口が金色になっている本がずらりと並んでいました。


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昔は著者の顔は世間に知られていたのでしょうか。作者の名前の代わり?に顔彫刻で仕切ってありました。レロ書店についての英語絵本があったので、記念に購入しました。


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ドウロ川沿いに、ワイン畑を眺めつつ、上流へドライブ。ワイン博物館に寄りました。そこでは、ワインを川で運ぶための船を、松や栗の木を切り出して、二か月ほどかけて作った映像をみました。


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もうひとつの映像では、ダイナマイトで岩を砕き(その過程で多くの死者を出したようすも描かれていました)、その岩を積み上げて棚田をつくり、ブドウの木を接木していた。殺虫剤をまき、実をカゴで収穫して、楽器の伴奏で歌いながら足で踏んで水をつぶして、収穫祭のようすをはさみつつ、ワイン樽につめていました。牛がひいてきたワイン樽をドウロ川に浮かべた船に乗せて、舵を取り、ポルトまで運んでいました。ポルトでワインの検品をして、瓶詰めし、ラベルをはり、箱につめて、船に乗せ、出荷していました。のちに、鉄道が敷かれ、水運しなくなり、ダムをつくり水力発電をするようになったよう。お目当てのワイナリーがイベントで一般客は入場できない日だったのが痛かった。ともあれ、そんな歴史を経て今日の景観を人が作り上げたポートワイン産地の様子。遠く望むのはドウロ川です。このときは、写真の脇で10人ほどの人が歌を歌いながらにぎやかに実を収穫していました。


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ラメゴの街には、700段弱の階段がある教会がありました。香川の金毘羅さんとか、和歌山の那智大社を思い出しました。夫調べだと、逆立ち?で階段を上る日もあるとか。写真のように、折り返し階段と呼ぶのですか、をひとつ上がると、いったん広場(砂利)があって、それがいくつも連なっていたので、少し登っては平らな部分を歩いて休みの繰り返しで、ただ登る分にはあまり疲れませんでした。長女は駆け上がって涼しい顔をしていました。次女も8割方「ジブンデ!」登っていました。


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階段の上部から、ラメゴの街を見下ろす。


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コインブラ郊外にあるローマ時代の遺跡を訪ねました。日差しが痛い!でも木陰は涼しい。案内板にもテルマエって書いてあり、風呂がたくさん残されていました。たぶんテルマエは公衆浴場だと思うけど、写真はお金持ちの家の風呂だそうです。男女で別の風呂があったとか。


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保存状態のよいタイルがあるところは屋根で保護されていました。幾何学模様のほか、馬などのモチーフがデザインされているものも見かけました。(ざっくりとですが)日本の縄文時代にはこのようなものができていて、店舗で物を売り買いしていたというところに夫が感動していました。


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コインブラ市内にあるコインブラ大学へ。とても歴史ある大学だそうですが、あまりの観光客の多さに、博物館にいる気分でした。


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なかでも有名な図書館は、時間指定で入場に。我々は三時間待ちだったので、その間、大学付属の博物館(自然史、実験施設、講義場)、チャペルを見学したり、カフェテリアで休んだり、、、娘らはこの図書館前の大広場で砂遊びに夢中。もう砂まみれで、小石を並べたり、葉っぱに乗せたりしていました。どこにいっても楽しんでくれるので、基本的には大人が興味のある場所にいけばよいのはすごく助かります。図書館内の撮影は禁止で、この中に蝙蝠家族が住み着いていて、虫を駆除する役目をはたしてくれているとか。話はかわって、この町のタラ料理専門店がおいしかった。パン屋の軒先に金平糖が並んでいて、和菓子の本で金平糖が食べたいと言っていた娘らが感動していました。


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リスボンに戻る前にロカ岬に寄ることに。長女が「おーい灯台!」という絵本が好きでやっぱり寄ろうということに。道中、私は知らないまま灯台は何色か聞くと「赤!」と即答した長女。あたっていました。やっぱり岩に登り、走り回る二人なのでした。


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リスボンでは、べレム地区リスボン大聖堂などを観光しました。雨予報なのに、我が家が観光している間だけは雨が降らないという奇跡!パン屋での朝食。米星人の娘らは焼き立てのエッグタルト以外は、甘くない食事パン(ボーラ)のほうがお好みのようでした。こんなに種類があって、中がフワフワ。ちなみに私はエッグタルトの食べ歩きをしたのですが、周りのパイ生地の厚みと、カスタードの卵の量が店の個性になっているようでした。私は、薄くてパリッとしていて卵多めのクリームの組み合わせ(つまり、ハイカロリー=おいしい)が好みではあったけど、それよりも焼きあがってからの時間のほうがおいしさを左右する気がしました。


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いろんな場所に連れまわしたお礼に、長女が大好きな水族館にも行きました。二人ともマンボウに魅了されていました。そのほか、長女はサメとラッコ、ペンギンの個体識別のビーズのパターンに興味をもって、一番先祖(P世代)のカップルを探していました。次女は、前回同様、イソギンチャクにご執心。水槽にはりついてね、満足するまで見せないと床にひっくり返って「行きたくない!!!!!」とギャン泣きです。


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日本にあるそうな「阿夫利ラーメン」に行きました。柚子塩ラーメン、大人気で、何より米!の娘らが麺もスープも飲みたがりました。つけ麺も美味でした。普段、手に入らない日本食材を食べられて、幸せでした。


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今回もいろんな出会いや、ぼったくりタクシー約1名を除いて(笑)、人々の親切がうれしかったです。こうして思い出すと、一期一会、いろんな人の笑顔がよみがえってきます。そして、月並みですが、人間の環境適応(改変)能力にはどこに行っても驚かされます。こんなに違った環境で、違う人間に育てられたわたしたち、それなのになんとかそれぞれの国として保たれているのが不思議でなりません。


旅にいくと、飲んでおいしかったコーヒー豆や、調味料(塩やご当地のコンソメキューブ)、夫らはあんこ製品などを買ってきます。そんなささやかな楽しみが詰まったトランクが、ロストバゲージに。乗り換えで預けたあと、タグがはがされていたとのこと(なんだろね、ある低い割合で職員に極悪な人がいるようだ。去年はストローラーのレインカバーがナイフでずたずたに切り裂かれていた。しかも、どちらもノルウェー国内の空港でという悲しい事実・・・。)。幸いにも無事に翌日、家に届けられて一件落着。おかげさまで、少しずつ旅の余韻を楽しんでいます。最後までお読みいただきありがとうございました。