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Jeneauの旅~サーモン孵化場

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こんにちは。

ハイキングの後は、
サーモン孵化場へ
見学に行きました。




Macaulay Salmon Hatchery
というところで、
キング(Chinook)サーモンと
シルバー(Coho)サーモンを
孵化して、
放流しているそうです。

残りの種は、
別の孵化場で
育てられているよう。


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施設に向かって、
フィッシュラダー
(ダムの魚道のようなもの)が
設置されていて、

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2種類のサーモンが
みっしり詰まって、
泳ぎ登っていました。


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登りきると、
いけすがあり、
隣の通路が開くのを
ここで待っています。


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この通路に入るときには
どうしてだか、
種類分けされているように
見えました。

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この先で、
エレベーターに乗り、
人に台に乗せられて、

たぶん頭か何かを
叩くか何かして、
気絶させてからお腹を開き
バケツで人口受精させるようです。


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他の施設では、
孵化して一年のfryが
育てられていました。
ひとつの長四角の水槽に
25万匹の稚魚がいるのだとか。
シルバーとキングで
計100万匹いたよう。

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この稚魚たちは
来春には、
外の海にある養殖いけすに入り、
その翌年に
smoltになったころに
海へ放流されるよう。

施設の周りには、
フィッシュラダーを
登りにいっていないサーモンたちも
わんさか居ました。


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それを狙って、
野生のアザラシが
狩りをすると、

飛び跳ねるサーモンの群れで
静かな水面が
波立ちます。

当たり前のように
生死が繰り広げられる
野生の世界。

お腹が膨れた
アザラシは、
対岸の砂場でお昼寝中。

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ごま模様の
幼獣もいましたよ。


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施設内でみた
映像によると、
アラスカのサーモン捕獲量のうち
半数以上は孵化場から
巣立っていった個体のよう。

アラスカ各地に
サーモン孵化場があるけれど、
こうやって人が管理しないと
種を維持できなくなってしまったのですね。


サーモンの
各成長ステージにおける生存数を
野生と養殖とで比較した図が
展示されていました。

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野生個体
卵から孵化して
fryになる(り海に出る)までが試練で、
その過程を孵化場が助けて
数で勝負してるんですね。

受精卵 2500(100%)---2500(100%)

fry 375(15%)

smolt 50(2%)

海へ出る 20(0.8%)---1800(72%)

海から戻る 10(0.4%)---250(10%)

川の上流へあがる 5(0.2%)---108(4%)

産卵できる 2(0.08%)


もし年間100万匹を
育てているのなら、
72万匹を放って、
4万匹(キング、シルバー各2万匹)が
孵化場に戻ってくる計算。


Salmon Stream (Sharing Nature With Children Book)
Reed-Jones, Carol
Dawn Pubns
2001-03-01



Working Boats: An Inside Look at Ten Amazing Watercraft
Crestodina, Tom
Little Bigfoot
2022-10-25



この孵化場は、
Kodiak島でみた孵化場のように
近隣に住むクマでなく
アザラシを支えていたけれど、





先住民族のように
サステナブルな漁のしくみが
できていない今、

アラスカ産サーモンが
食べられるのは、
孵化場の方々の
ご苦労のたまものです。

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旅日記は続きます。

Kodiak島~ベア・ウォッチング

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こんにちは。
Kodiak島で
ハイキングした翌日は、
ついに晴れました。





風もなく、


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うっとりするくらい
静かな海面。


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この日は、
ベア・ウォッチングに
出かけました。



こちらの論文にあるように、
Kodiak島のヒグマは、
海で隔絶された期間が長い
更新世からのよう;上論文のFig3参照)ので、

遺伝的に分化していて、
体がホッキョクグマ級に
大きいものが多いことでも有名です。


今回は、
いつも以上に長いですが、
よかったら最後までお付き合いください♡


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Kodiak島と呼んでいましたが
正確にはKodiak諸島で、
いくつもの島が集まっています。


map1


Kodiak市から、
水上機に乗り込み、
Kitoi bayに向かいました。

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アリ―という名の
ラッコが住むベイを
ボートが疾走して離水。


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車酔いするタイプなので、
風の流れが変わるとき、
一瞬、無重力状態になって?
機体がとび跳ねる感じになるのが
わたしはめちゃ苦手。


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海をみていると、
あちこちでクジラが潮を噴き上げて
いるのが見えました。

こちらは、ザトウクジラが
3~4頭で群れていました。


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下をみると、丸裸。
中国の会社が土地を買って、
木を伐採してしまっているそう・・・


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港に停泊していた
漁船にボートをつけた船は、


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こうやって、
網で囲って、その中の魚を
獲っているいるそうです。


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この方法は、
巻き網漁と
呼ぶものらしいです。




こうして空から
社会科見学をしているうちに、
Kitoi bayに着水。


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母子グマが海辺で
サーモン捕りをしたり、
コグマとじゃれている姿が
みえました。
(肝心なカメラを忘れてしまい、
以下、ちんまりですみません)



機体から降りると、
あたりは生臭い腐臭が~💦

サーモンが死んで
腐っている臭いでした。


川に目を向けると、
オスグマ(たぶん)がいました。


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先日、
4時間かけて捕ったのは
何だったのだろう・・・





と、
遠い目をしそうになるくらい、
たくさんのサーモンが
行列しています。


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人間でも
手づかみできそうな状況なので、

クマは
川に飛び込んで
サーモンを捕まえる!!

という
ドキュメンタリー映像とはほど遠く、
選んで口にくわえるだけ・・・
といった風情(苦笑)。


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サーモンの
皮をまず食べて、
いくらをぺろぺろ舐めて、
赤身はほぼ食べずに
また次のサーモンを捕りにいきます。

おそらく控えている
カモメたちも食べきれないほどなので、
身が腐って、匂っていたのですね💦

この近辺には
60頭ほどのクマがいると
ガイドさんが言っていたような。


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それをみた娘が
パイロット兼ガイドさんに、


どうして、
卵しかたべないんですか?


と質問していました。
すると、ガイドさんは、


身を食べると、
消化にエネルギーを使うから、
太れないんだよ。
だから、消化が良い、
皮、脳みそと卵だけ食べるんだよ


と教わっていました。
(皮と卵と脳みそには
身と比べると脂肪分が多くあり、
高カロリーという意味らしい)


生で食べても
寄生虫とかでお腹を壊さないのは
どうしてですか?

とも質問していました^^;


そういえば、
サーモンがよく見えるからかな
ここのクマは
サーモンのメスだけ選んで捕るそう。

リンクにあるような
顔の形の雌雄差などを観察して
選別しているのかしら?





Kodiak島の西側にある、
滝でクマがサーモンを捕まえることで有名な、
Katmai国立公園のクマに関するQ&Aも
面白かったです↓


 


クマがサーモンを捕って
お食事をしている先には、
こんな魚道がありました。


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こんな風に、
川を板(フェンス)でせき止めて、
この魚道しかサーモンが
通れないようになっているんです。


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え?なんで?


と思って、
ガイドさんの説明を聞いていると、


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なるほど、
川の上流側をみると、
このありさまです。

なんと、
ここ数年?は雨が少なくて、
川が干上がってしまい、
サーモンが遡上したとしても、
卵が干上がってしまうのだそう💦

島で
サーモンが遡上できるくらいの
水量を保つためには、
木々がこれくらい苔むすくらい
雨が必要だったのですね。





ほんとなら、
赤い印の孵化場脇の川が
Big katoi lakeあたりに繋がっていて、
そこで産卵していたのかもしれません。


map2


そんなわけで、
Kitoi Bay Hatchery(鮭の孵化場)で
孵化して、放流しているのだそう。





魚道を登り切ったサーモンは、
こちらのいけすに入って、


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電気ショックで
卵を出して、
孵化させるのだとか。

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施設の中は
みられなかったけれど、
こんな記事がありました。





ビジターセンター
(Kodiak National Wildlife Refuge)で
いただいたサーモンパンフレットによると、






遡上するまでに、
クマや人間に捕まるリスクがあり、

ダムなどで、
体力を無駄に消耗したり、

森林の伐採があると、
水温があがり病気になったり、

やっとのことで
産卵するも(4:17あたりをみてください)、




同じく伐採などで、
酸素不足となったり、
川の水量が少ないと凍結してして
孵化できなかったり、




稚魚になってからも、
ダムのタービンに巻き込まれたり、
わたしたちも体験したように、
人間に釣られてしまったり、





ここには書ききれないほどの
試練を生き延びて、
産卵をしに戻ってきた
運と実力を兼ね備えた
精鋭サーモンたちを今、見ているわけです。


サーモンが海に出てから
川に戻るまで
1から7年ほどだそう。

異常気象などで
ある一年、産卵がことごとく
うまくいかなかったら💦

サーモンは(も)
絶滅と紙一重で
命をつないでいるのだなあ。

人間は、
頭と内臓は
ほぼ捨ててしまっているのだから、

クマが頭と内臓を皮を食べたお残しを
ドローンで拾って集めて、
身を頂いたらよいのではないでしょうか^^;
(感染症とかあるからダメですか💦)

とかよぎったけれど、
クマが残したサーモンは、
森の栄養ですね。


山に木を植えました (講談社の創作絵本)
スギヤマ カナヨ
講談社
2008-05-29






ともあれ、


体が大きなオスは
サーモンがわんさかいる場所を占拠して、
ラクに次々と食べ、

奥にいる母と子は、
海の中につかって、
影を作るようにじっと水のなかをのぞき込み、
サーモンをキャッチするという
スタイルをとっていました。

母グマは、
ちらりちらりと
オスの行動を気にしつつ、
サーモン捕りを続けていました。

2頭いた子グマの
片方は森に隠れて出てこず、
もう片方は、常に母について、
隙あらばじゃれていて、
可愛かったなあ♡


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水上機に乗り込むと、
今度は、若いクマの兄弟が出てきました。
3歳~5歳くらいと聞きました。
兄弟でおすもうしていました。


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若いクマと、
母子だとどちらか強いのかなとみていたら、
母グマはそそくさと子グマを連れて
その場を離れていきました。


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クマを見に行くだけのはずが、
社会科見学となり、
命をつなぐとは何ぞやと
親子ともども考えさせられました。


娘から出た言葉は、


サーモンに
生まれなくてよかった


うん、わかる!

我が家のサーモンを見る目が
一段と尊いものとなったのは
いうまでもありません。


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アラスカのサーモンを
頂く機会がございましたら、
こんな命の繋がりを
想像していただけたら嬉しいです。

次回が最後です。


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