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夫の持ちこせない有給があることが分かり、お隣のスウェーデンはストックホルムに出かけてきました。ノルウェー語と同じ単語もあるし、語尾が少し違うだけの単語もたくさん見かけて、デンマークやアイスランドと同じく、生活の延長線上な感じがして旅行しやすかったです。


以前、アイスランドであった世界周遊チケットで長旅をされているご夫婦に、ノルウェーに住んでいるのになんでアイスランドに来たんですかと言われたんだけど、住んでいるならではのマニアックな違いがまた楽しいと私はニマニマして観察しています。物理的・(または海を挟んでいたとしても)文化的に陸続きの国を面的に埋めるように旅行する経験はなかったので、狭いヨーロッパならではの陸続きなのに、言葉や文化が違うのを体感できるところが魅力のひとつだと思います。いつかフィンランドに行ければ、どのように文化が混じりあっているのか、もう少し(生活レベルで)実感できるのかなと思いました。


スウェーデンでまず気が付いたのは、英語のHi(いらっしゃいませを含め)にあたる言葉が、ノルウェー語では Hi-hi(ハイハ~イ)なのに対して、スウェーデンはHei-hei(ヘイヘ~イ)なことです。言語学者とか言語好きな人が特徴的な言葉を地図に落としたものとか作っていないのかな(系統樹でいいじゃんという話なんだけど・・・まぁ、うんちくはどーでもいいですよね)、あるのなら見てみたい。

生憎の雨と、極夜(時差がないので、ストックホルムが東にある分、2時台には暗くなってくる)で暗いのとで、写真は今二つだったんだけど、ストックホルムの文化と歴史に触れる旅を満喫してきました。以下は、なかでも印象的だったことを記録します。えぇ、いつもの通り長いです。



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ストックホルムといえば、今週末に迫ったノーベル賞授賞式の地。ダイナマイトの発明で財をなしたアルフレッド・ノーベルが、妻も子もいなかったため、遺産をノーベル賞の創設にと遺言を残し始まったとのことで、、、有名な話だと思うので、続きは割愛。長女が「わたしがノーベル賞をとったわけ」という絵本が好きなので、授賞式が行われるコンサートホール、舞踏会が行われる市庁舎、ノーベル博物館を訪ねてみました。



コンサートホールの外観で一番目立っていた柱はクリスマスイルミネーションがされていて、目の前の広場には市が出ていました。まだ夕方前だというのに、この暗闇(笑)。クリスマス時期だからか、ヒヤシンス、リース、もみの木、アマリリスなどが並んでいます。これはノルウェーも同じ。特徴的だったのは、キノコを売っていたこと。かもめ食堂で、マサコさんの旅行鞄にぎっしり入ってた黄金色のキノコと同じのだったな。ホールの話は(笑)!?


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ノーベル博物館。そんなに広くなくて、I have a dreamで知られるマーティー・ルーサー・キングJr.のコーナーに半分以上のスペースを割いていました。


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今年の受賞者はまだ来館していないからか、皆さん、(写真ではなく)イラストで紹介されていました。



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椅子の裏に、受賞者のサインがあるという博物館内のカフェでは、Obama元大統領の椅子などがありました。サインがあるから大事にという雰囲気でなく、無造作といってよいのかな、ふつーに使っていて、ふつーに座席にこぼした汚れがついている感じがなんだかよかったです。日本だったら、厳重に飾りそうなものだけど、と。ここで、ノーベル賞受賞者の晩餐会のデザートに供されるというアイスクリームをミーハー気分で注文。バニラアイスの上にホワイトチョコ、ラズベリーぽいアイスの上に綿菓子という不思議なものでした。失礼かもしれないけど、メダルチョコがついてる以外はふつーのアイス(笑)


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市庁舎の舞踏会が開かれる金ぴかのタイル貼りの部屋も見学しました。夫が(北欧らしくないと思って)どうして金ぴかにしたかを聞いたそうで、当時、ドイツ人が金のタイルを使ったデザインを格安でオファーしてくれて、さらに割引してくれたからなんだとか。。。値段ですか!?スウェーデンは(も?)ドイツの影響をだいぶ受けているのをいくつか目の当たりにしました。娘も満喫したようでした。



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さて、ノーベル関係と話は変わって、次は、360度本が並んでいる図書館。こんな図書館が近所にあったら入り浸っちゃいます。子どもコーナーには、十以上にわたる言語で絵本を取り揃えていました。もちろん、日本語の絵本もあったよ。娘も感激してた。





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ストックホルムの歴史を知るうえで欠かせないそうな、Vasa号博物館。17世紀に作られた船だけど、出航後まもなく沈没したおかげで、現存する唯一の17世紀の船になったとかで。。。。なんともシュール。ここでも、ドイツの彫刻家が船の装飾(木彫り)を施していました。ここで、船を作って、沈没して、引き上げられるまでの映像を見たので、次に行ったSkansenというところで見るものの背景が分かりやすくてよかったです。来館したら、映像をみてみてください。娘たちも、よく観察していました。


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この当時の船は、カラフルにペイントされていたそうで、塗料も展示されていました。


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最後に、Skansenという野外博物館に行きました。しつこいけど、写真はまっくらだけどまだ午後四時です。入ってすぐにがけのような斜面をみて、この坂道を(娘らを抱っこして)上るの~?(←おばさん、もうへとへと 苦笑)と呆然としたけど、文字通り、老若男女が楽しめる素敵な場所でした。



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娘が楽しみにしていた水族館コーナー。かなりこじんまりだったけど、大興奮。猿、昆虫や爬虫類も展示されていて、、、係のお姉さんがいとおしそうに撫でていたヘビに、娘たちも触っていました。自ら触ると思わなかったなぁ。


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特設でクリスマスマーケットができていて、ここが、本場ドイツと肩を並べるくらい楽しい場所でした。木の掘っ立て小屋に、木を瓦屋根のように並べてある質素なんだけど味のある建物だった(写真はちょっと新しめの小屋ですみません)。


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山仕事をする人らが、これを食べてもりもり働いたというだけあって、ベーコンをじゅうじゅう焼いて、小麦粉でパンケーキのように揚げた高カロリー伝統食、コムラ。スウェーデンは、あちこちでろうそくの火がともっていて、焚火もたくさんあって、子どものころの日本を思い出すことがしばしばありました。(今、日本で焚火は禁止じゃなかったかしら?)


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すごい人気で行列ができていたけど、我々、胸やけしちゃって、家族でこの一枚食べきれなかった。。。きっと、雪山をガシガシ歩いていたら、さらっと食べてしまいそう。


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こちらはエルク(ムース)肉の乗ったラップ。マッシュポテトが中にぎっしり、上にはチーズ系ぽい?ソースがかかっていました。これは娘らにも人気でした。デパートなどに行っても、野生動物の肉を売るコーナーが充実していて、ジビエ文化はヨーロッパで根付いているのを目の当たりにしました。日本でも、生態学者や社会科学者、行政やハンターさんなど様々な人がかかわり、ジビエ文化を(江戸時代のように)再び浸透させようと頑張っているので、機会があれば食べて応援してあげてください~(と、こんなところで小さな声を挙げてみる)。家畜を育てる労力を考えたら、森林で勝手に豊かで安全な餌を食べて育ったお肉を、有害鳥獣駆除でクマ、シカ、イノシシ、サルといった野生鳥獣を毎年、何千・何万・何十万頭も殺して、大半は食べきれずに埋めたり、燃やしたりしているそうですから、こんなにもったいない話はないなぁと思っています。


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ここで、バンド演奏があり、みんながフォークダンスをおどっていました。意味はわからなかったけど、振付を見る限り、動物の動きなんかも取り入れていて子どもも大人も、いい笑顔で踊ってる。ついつい体を動かしたくなるような楽しい音楽で、長女も輪に参加していました。次女も楽しくなって、ぴょこぴょこ跳ねたり、一緒に踊ったりしていました。リンク先の曲も流れていたな。


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トーテムポールのようなクリスマス飾りが立っていたけど、近くでみると、枯れ葉のついた枝をびっしり巻き付けてあったのでした。他にも、小麦の穂を飾ってあったり、クリスマスの藁人形があったりしました(この人形はノルウェーでも見かけます)。スウェーデンの場合は、藁人形の豚をよくみたのが印象的です。



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ここにある子ども動物園が、私の中ではイノベーティブだったな。子どものプレイグラウンドと動物展示とペッティングズーが合体したような施設。雨しのぎにもなって助かった。写真の小屋にのぼる途中には、昆虫の展示があって、下には池があり、鯉が泳いでいます。下のトンネルをくぐると、池を中から観察できて行動展示っぽくなっています。


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子どもの喧騒によるストレスに強めと思われる昆虫、爬虫類、猫やモルモットなどの愛玩動物と人家に暮らすネズミなどが展示されていました。どんなところに住んでいるネズミか子どもにもよく理解できるのがいいですよね(写真)

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動物コーナーには時間切れで行けなかったけど、柵の組み方が独特で興味深かったです。


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最後に、物作りコーナーに行きました。魔女の宅急便の看板のモデルになったパンやさんって知っていますか?と日本人に聞かれて、え、これそうなの?と慌てて写真を撮ってみた(笑)。星型のマドレーヌのようなお菓子には、中にカスタードクリームが入っていておいしかったです。確かにパトカーの音も映画と同じだし、ガムラスタンという旧市街の雰囲気もみても、そうかも~という感じがしました(実際には、別の島が舞台とのことらしいですが by 夫)。



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椅子作りをしている小屋。何をつめているのか聞くと「カミノウマ」と日本語で答えられてぽかーん。。。。。「???馬の髪?」と言ったら、そうそうと。鬣なのかな。椅子のクッション部分に丁寧に敷き詰めていました。(科学博物館でも片言の日本語を話すスタッフがけっこういた。ゲームが人気ぽいから、その影響なのかな)


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銀食器を作る小屋。型に銀を入れて、重みで押しつぶして、伸ばしていました。写真では途切れてしまっているけど、上に太い棒が見えますかね。それを勢いよく二度回すとできていました。製鉄所のイメージがあったので、熱を使わないところに感心してしまいました。鉄はやわらかいのね^^;



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他にも、印刷している小屋、ガラス工房、ろくろを回す工房、エンジニアの工房などさまざまあり、おじいさん、おばあさんたちが活躍していました。それを実際にお店で売っていて、ちょっと愛着がわくのでした。そんなわけで、ストックホルムを訪れる際には、スカンセンお薦めしたいです。

こんなに長ったらしい文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!